NeuroPhysMatrix
サポート

更新日: 2026年10月7日

NeuroPhysMatrixは、イオンの動き、チャネルの状態、コンダクタンス、電流、膜電位を同じ時刻で結びつけて観察するiPhone・iPad・Mac向けシミュレーターです。活動電位、神経細胞発火特性、イオンチャネル、神経回路、シナプス統合、軸索伝導の6画面を収録しています。刺激、チャネル、入力位置、結合強度などを変えて応答を比較できます。

動作環境

日本語、英語、韓国語、中国語(簡体字・繁体字)、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ブラジルポルトガル語に対応しています。画面表示は端末の優先言語に合わせて切り替わります。

基本的な使い方

  1. 画面上部のタブから、見たいシミュレーションを選びます。横幅が足りない場合は、タブ列を横へスクロールできます。
  2. 活動電位や軸索伝導などの再生対応画面では、再生/一時停止を切り替え、再生速度を選びます。
  3. グラフ下の時間カーソルを動かし、任意の時点の粒子、チャネルゲート、波形、説明を対応させます。
  4. iPhone、iPadの縦向き、または狭いウインドウでは「設定・解説」を押し、設定と説明をスクロール可能なパネルで開きます。Macや広いiPad横向き画面では、右側の「設定」「解説」を切り替えます。小さいパネルでは背後の結果を確認しながら操作でき、上へ広げると内容を詳しく読めます。情報ボタンから各設定の説明を確認できます。
  5. 時間軸の近くにある「表示幅」で、波形を拡大・縮小できます。Proの波形保持に対応した画面では、変更前の波形を残してから条件を変え、変更後と重ねて比較します。
  6. 最初の状態へ戻すときは、リセットボタンを押します。

Pro

Proは米国価格USD 7.99の買い切りです。ほかの地域ではApp Storeに表示される対応価格が適用されます。全6種類のシミュレーションで現在の条件と主要指標を最大50件記録し、同じシミュレーションの直近2件を数値比較して、全記録をCSVで書き出せます。回路・樹状突起のカスタム編集と設定の保存・読み込み、活動電位の最大コンダクタンス設定・標準波形比較、イオンチャネルと樹状突起の保持波形比較、専門的な神経細胞5種も解放します。基本の6シミュレーションと神経細胞4種、4回路プリセット、標準樹状突起と代表4形態は購入なしで利用できます。既存Pro購入者は追加購入不要です。復元するときは、購入時と同じApple Accountでサインインし、上部のPro/鍵ボタンで購入画面を開き、下部の独立した「購入を復元」を押します。Pro有効時は上部ボタンから実験記録を開けます。

App Storeからダウンロード

回路・樹状突起・シナプス入力の操作

プリセットは図の近くにあります。「回路を編集」「樹状突起を編集」はPro機能です。編集画面では、単にノードをクリック/タップして選択し、ノード間をドラッグして回路の結合や樹状突起の接続先を変更します。選択・結合モードをボタンで切り替える必要はありません。

シナプス入力は、興奮入力・抑制入力のカードをノードへドラッグするか、ノードを選択して入力カードを押すと配置できます。抑制がオフでも、指定した場所は破線のマークで確認できます。入力数、強さ、タイミングは設定で変更します。補助メニューから位置を指定することもできます。

Proの回路は最大12細胞、樹状突起は細胞体+最大12区画です。長さ・直径を変えると受動的な電気特性も変わります。「保存・読み込み」から名前を付け、回路または形態と入力条件を一緒に保存できます。各種類最大50件です。

シミュレーションごとの見るべきポイント

活動電位

刺激後にNa⁺コンダクタンスが先に立ち上がり、遅れてK⁺コンダクタンスが増える順序と、V・g・Iの時間的な対応を見ます。二連刺激では間隔を短くしたときの第二応答、強度–時間曲線では刺激幅と発火閾値、Na回復では不活性化ゲートhの回復を確認します。

神経細胞発火特性

各細胞の選択欄に特徴と見るべきポイントを表示します。大脳皮質錐体細胞では発火間隔が徐々に広がる適応、ファーストスパイキング介在ニューロンでは短い間隔が保たれる点、中型有棘ニューロンでは深い静止電位と最初の発火までの遅れ、コリン作動性ニューロンでは自発発火と順応を見ます。海馬CA1錐体細胞では強い適応、視床中継ニューロンでは負の入力終了後の反跳発火、視床網様核ニューロンでは低閾値バースト、中脳ドパミン作動性ニューロンでは低頻度の規則発火、Purkinje細胞では比較的小さい入力に対する高頻度応答を比較してください。

イオンチャネル

カレントクランプでは、注入電流の後にVと各gがどの順序で変わるかを見ます。ボルテージクランプでは、上段の小さなV指令と、チャネルごとに分けたg・Iを対応させます。SK電流を含む14種類の代表的なチャネル・背景電流を操作できます。細胞パラメータセットは代表的なチャネル構成を切り替えます。DC保持電流とステップ電流は別設定で、Iinjにはその合計を表示します。gの正規化表示は開口確率ではありません。

神経回路

4プリセットで、興奮性・抑制性の結合、伝達遅延、抑制のオン/オフを変えます。フィードフォワード抑制では興奮と抑制が到着する順序、再帰性抑制では戻ってくる抑制、脱抑制では抑制性細胞を抑えることで下流の応答が変わる点を見ます。E・I番号は図内の細胞IDで、解剖学的な固有名称ではありません。

シナプス統合

入力位置、同時入力数、反復間隔を変え、局所のEPSPが細胞体へ届くまでの減衰と時間的・空間的加算を見ます。抑制の場所やタイミングによって、細胞体の応答がどう変わるかを比べます。標準2枝に加え、錐体細胞・プルキンエ細胞・顆粒細胞・有棘星状細胞の模式的な形態プリセットを選べます。この受動モデルでは活動電位を生成しません。

軸索伝導

模式図上の各絞輪と、対応する電位ピークの順序を見ます。局所脱髄では、病変部の電流漏れによって次の絞輪へ届く脱分極と安全率が低下し、条件によって伝導が遅れるか途絶する流れを確認します。「絞輪1」〜「絞輪7」はこの簡略化した軸索内の順番であり、解剖学的な固有名称ではありません。無髄モードでは1〜7は絞輪ではなく記録点です。代表波形と伝導時間の模式モデルとして比較してください。

モデルの範囲

活動電位は古典的Hodgkin–Huxleyモデルで、あらゆる哺乳類神経細胞の定量再現ではありません。「神経細胞発火特性」は発火頻度・適応・遅延・リバウンドを比較するモデルで、スパイクの頂点・形は表示テンプレートです。同名のイオンチャネルプリセットは別の代表モデルで、発火特性の波形を厳密に分解したものではありません。

樹状突起の形態は受動ケーブルの粗い空間近似です。能動的チャネル、NMDAスパイク、活動電位の逆伝播、特定細胞の実測形態の定量再構築は含めません。神経回路や軸索も、回路原理・伝導の変化を比較する模式モデルです。各画面の「グラフの読み方」と解説も確認してください。

よくある質問

グラフや粒子が動きません

一時停止になっていないか確認し、再生を押してください。時間カーソルを手動で動かした後は一時停止になる場合があります。改善しないときはリセットし、アプリを起動し直してください。

コリン作動性ニューロンの遅延応答が見えません

イオンチャネルでコリン作動性ニューロンを選び、まず時間軸の「表示幅」を初期表示へ戻して、刺激終了後まで確認してください。必要に応じて表示幅を広げます。表示開始位置を個別に指定する必要はありません。神経細胞発火特性で反跳発火を見る場合は、視床中継ニューロンへ負の持続ステップを与えます。

注入電流やステップ長はどこまで変えられますか

イオンチャネルのステップ電流は−100〜200 µA/cm²、単一ステップの長さは最大300 msまで変更できます。DC保持電流は別に設定します。入力グラフは固定の余白を持ちつつ、設定した入力量が高さに反映されます。

条件を変える前後の波形を比較できますか

比較対応画面で現在のグラフを保持してからパラメータを変更すると、変更前と変更後を重ねて確認できます。線種や凡例で標準・保持・現在の条件を区別してください。

注入電流を変えると細胞パラメータセットが「カスタム」になりますか

注入電流やステップ長は刺激条件であり、細胞パラメータセットそのものではありません。チャネルの有効状態または最大コンダクタンスを変更した場合に「カスタム」と表示されます。刺激だけを変えたのに「カスタム」になる場合は、アプリを最新版へ更新し、再現手順を添えてお問い合わせください。

Proを別の端末で使えません

購入時と同じApple AccountでApp Storeへサインインしてください。Proが有効でない端末で上部のPro/鍵ボタンを押し、購入画面下部の「購入を復元」を選択すると復元処理を開始します。起動時の自動確認だけでなく、このボタンから操作できます。購入処理と購入状態はAppleのStoreKitによって管理されます。

保存した回路・樹状突起は別端末へ自動で同期されますか

自動クラウド同期はありません。構成と実験記録は端末ごとに保存します。Proの購入権利の復元と、作成した構成・記録の同期は別です。実験記録は最大50件、回路・樹状突起の構成はそれぞれ最大50件です。

表示内容を診断や治療判断に使えますか

使えません。疾患関連条件を含むすべてのモデルは、電気生理学的な機序を比較するために簡略化されています。個々の患者の状態を再現せず、本アプリは医療機器ではありません。

シミュレーション内容について指摘があります

モデル名、細胞型または条件、変更したパラメータ、期待する挙動、根拠となる文献情報をお知らせください。内容を確認し、必要に応じてモデルや説明を改善します。

アプリはデータを送信しますか

シミュレーション値や操作履歴を開発者へ送信しません。本アプリには、ユーザーアカウント、広告、アクセス解析SDKもありません。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。

お問い合わせ

不具合のご連絡には、個人情報を含めず、アプリのVersionとBuild、端末とOS、シミュレーション名、選択した細胞型・条件、変更したパラメータ、問題が起きるまでの操作、可能であればスクリーンショットをお知らせください。

NeuroPhysMatrix Support
運営者: Takashi Nakano
メール: nakano.prog@gmail.com